投資の思考

知っておきたい投資の基礎知識!豊かに資産を増やす

投資を始める際は様々な不安があります。「お金が無くなるんじゃないかな?」や「本当に儲かるの?」などです。はじめて投資にチャレンジする時はちょっとした勇気が必要ですよね。

実際に投資をはじめてみると短期では得をすることもあれば損をすることもありました。ただし、長期的に見ると貯金と比べて資産の増え方は圧倒的に高くなります。世の中のお金持ちは例外なく投資を行っていますが、それは長期的にみると資産運用の効率が高いからなのです。

有名な経済学者トマ・ピケティ氏もr>gを発見しました。『r』は資本収益率で『g』は労働収益率です。つまり、投資をして増えるお金(資本収益率)は働いて増えるお金(労働収益率)よりも高いことがわかったのです。資本主義では投資をしているお金持ちほどお金が増えるということが証明されたのです( ゚Д゚)。

今回は投資に関する基礎知識な知識を紹介したいと思います。投資とはどういうものなのかを知っていると、自分の取るべき投資との付き合い方も見えてきますよ。

投資とは?資産を運用して資産を増やす!

投資とは手元にある資産を運用して、お金を増やすことです。株式や債券、FXや投資信託などの金融商品から不動産投資やソーシャルレンディング、仮想通貨など様々な種類があります。

ここで大切なのは、どの投資も基本的には「自己責任」で行っていく必要があるということです。投資は30年という長期的な視点で見るとプラスになりますが、1~2年という短期的な視点でみるとマイナスなることもあります。例えば、株式投資であれば以下のようになります。

投資初心者の中には、インターネットや雑誌で「絶対に儲かる!」と言われて投資をはじめる方もいます。それは長期的にみると儲かる可能性の方が高いですが(それでも絶対はありません)、短期的にみると損失も出るのです。

私は投資に対して「これで私も超お金持ち!」という幻想や逆に「全財産を失う!」という不必要な心配を持たない方がよいと考えています。そのような考え方は、投資の判断を狂わせることがあり、豊かな投資にはならないからです。

投資初心者が投資を行う場合は、まず投資のリスクを考えて自己責任で行うと決めましょう。自分の意思で行うと決めた方が、自分のライフプラン(人生計画)や年齢、性格や好みに合った投資を選べますよ。

投資のリスクとリターンの関係を知る

投資におけるリスクとは、結果の振れ幅のことです。ハイリスクほど危険と捉える人もいますが、実際には振れ幅の大きさのことで危険性のことではありません。ハイリスクの投資商品は、振れ幅が大きくて、結果がどうなるか予想ができません。そのため、リターン(収益)が大きくなることもあれば、大きな損失を出すこともあります。

出典:野村アセットマネジメント

逆にローリスクの投資商品は振れ幅が小さいため、利益や損失も小さくなります。
それぞれの投資商品にはこのリスクとリターンがあります。例えば、以下のようになります。

このグラフを見ると分かるように、基本的にハイリスクの商品ほどハイリターンとなっています。いわゆるハイリスク・ハイリターンですね。逆にローリスクの商品はローリターンです。つまり、リスクとリターンは基本的に比例します。

私たちはどうしてもリスクが低くて、リターンの高い投資商品を探しがちです。もちろん情報を探るという姿勢は大切ですが、リスクが低くてリターンが高いという投資商品には注意が必要です。かなり疑った方が良いと思います。詐欺というノーリターン商品かもしれません( ゚Д゚)。

良い投資商品とはリターンとリスクのバランスが適正な商品のことです。たとえば、ハイリスク商品でも超ハイリターンになる可能性を秘めていれば、適正なリスクとして受け入れて良い投資商品です。一方で、ローリスクでも超ローリターンの商品なら適正なリスクとは言えません。

また、リスクは一つの投資商品だけでなく、投資商品全体の分散(ポートフォリオ)で考える必要があります。いくら適正リスクな投資商品でもハイリスクのみに投資していてはいつかスッカラカンです( ゚Д゚)。実際にはハイリスクとローリスクを組み合わせて適正なリスクを取っていきます。ポートフォリオについては後程説明しますね。

では自分に合ったリスクとリターンを決めるためにはどうすればよいのでしょうか?

自分に合ったリスクとリターンを見分ける方法は?

自分に適した投資商品を選ぶ場合は、5つのことを意識すると良いです。

  • 投資をはじめた目的は?
  • あなたのライフプランは?
  • あなたの性格は慎重派?大胆派?
  • あなたの収入は?
  • あなたの年齢は?

大切なことは自分にとって豊かな気持ちで投資できるのはどの投資商品で、どの程度のリスクを取ることなのかを知ることです。

投資をはじめた目的は?

投資をはじめた目的が明確になると、どの程度のリスクとリターンを狙えばよいのかも見えてきます。たとえば、「豊かな老後のために資産運用でお金を増やしたい」という場合は、安心して増やすことが大切です。リスクの低い指数連動型のインデックス投資が良いでしょう。インデックス投資については以下の記事を参考にどうぞ。

失敗しない株式投資!インデックス投資 新型コロナウイルスの大流行で投資をはじめる人が増えてきました。はじめて投資にチャレンジしたという20~30代は多いのではないでしょうか...

逆に、「社会の流れを知りたい」や「銀行に預けている資産の一部を増やしたい」というのであれば、ハイリスクの商品を選んでも良いでしょう。自分の得意な業種の個別株投資も良いかもしれません。

投資を行う目的が明確であれば、投資にのめり込んで全財産を失うという失敗は起こりません。投資は運用する人次第で効果的な資産運用にもなれば、ギャンブルにもなるのです。

あなたのライフプランは?

ライフプランによっても投資の取り組み方は変わってきます。将来は結婚するのか?子供が欲しいのか?マイホームが欲しいのか?によって取り組める投資と取り組めない投資が出てきます。

出典:金融庁

たとえば、子供が欲しい人やマイホームが欲しい人は、ハイリスク投資よりもローリスクで堅実に運用した方が良いでしょう。教育費やローンの支払いで手元に置いておくお金も必要となるため、投資として運用できる資金も少なくした方が安心です。

逆に独身で時間もたっぷりあるという方は、社会情勢を深く学びながらハイリスク商品を選んでも良いでしょう。ハイリスク投資でも知識が圧倒的に深い人は、安定して運用できます。

あなたの性格は慎重派?大胆派?

あなたは慎重派ですか?それとも大胆派ですか?
慎重派の方は、リスクを抑えてバランスよく投資した方が良いですし、大胆派の方はリスクをとりながらしっかりとリターンを狙っても良いでしょう。ここで大切なのは、投資の運用について自分が不安を感じない取り組み方をするということです

私の場合、投資をはじめた最初の頃は、いつも値動きが気になっていました。値段が上がっては喜び、下がっては落ち込むのです( ゚Д゚)。生活の自由度を増やしたり、安心のためにはじめたはずの投資が、逆に自分を不自由にしていたのですね。これは投資初心者にありがちなことです。

投資を行う際に最も大切なことは、「不安を感じないレベルで投資する」ということです。投資商品の値動きに一喜一憂するような生活は、本当に疲れますし、豊かな投資とは言えません。値動きが気になって、仕事の集中力まで落ちてしまいますよ。はい、かつての私です・・・( ゚Д゚)。

特にこれから投資はじめる初心者の方は、「失ってもいいと思える金額」からはじめましょう。もしも、5,000円の投資で「失うか怖くて不安を感じる」という方は、1,000円からはじめましょう。

あなたの収入は?

年収1,000万円の人と年収300万円の人では運用方法も変わってきます。投資は基本的に資産が多ければ多いほど、リターンは大きくなります。そのため、年収が高い人はやはり有利です。

しかし、大切なことは年収よりも貯蓄率です。年収1,000円の人の貯金が年間0円の人より、年収300万円で貯金が年間100万円の方もいます。基本的には年収が高い方が有利ですが、貯蓄率によっても変わってきます

あなたの年齢は?

20歳の人と65歳の人は投資の運用方法が異なります。20歳の人は若くて今後も働くことで収入を得ることができるので、ハイリスク商品を選ぶことができます。しかし、65歳になると仕事で大きな収入を得ることは難しくなるため、ローリスクの商品を選ぶ方が良いでしょう。

時々、退職金が入ってきたから老後の安心のために資産運用したいと考える方がいます。そのような方は堅実な投資を行う方が良いですね。退職金を目当てに銀行から営業の電話がかかってくることもあります。それだけはお勧めしません!

私の母は県立病院の看護師でしたが、退職と共に銀行から資産運用の電話がひっきりなしにかかってきました。そして、投資商品の中身をみると手数料もリスクも高く、明らかに母に合いません。基本的に営業が来るような投資は辞めた方が良いです。営業で人件費がかかっていますので、ロクな商品はありません( ゚Д゚)。銀行の投資商品については以下の記事でも紹介しています。基本的に買っちゃだめです!

銀行の金融商品は買っちゃダメ!銀行員に聞いた投資信託の裏側私の祖母があるとき銀行から投資信託の勧誘を受けました。一人暮らしの年金生活で贅沢もしないので特にお金に困っているわけではありません。でも...

分散投資(ポートフォリオ)を知る

投資のリスクを下げるために、投資家たちは分散して投資を行っています。投資の格言では「卵は一つのかごに盛るな」と言われます。卵を一つのかごに入れていると、そのかごが落ちると全部割れてしまいます。しかし、複数のかごに入れていると、一つのかごが落ちても大丈夫です。

たとえば、外国債券20%、外国株式20%、国内債券10%、国内株式20%、海外リート10%、国内リート20%と割り振ると、一つの商品が損失を出しても他でカバーできます。

このように投資を分散することをポートフォリオと言います。分散投資には地域を分散したり、投資の時期を分散するなどもあります。様々な投資商品にバランスよく投資することで、安定したリターンが得られるようになります。ポートフォリオを定期的に見直すことで、投資のリスクはかなり抑えられますよ。

一方で、一流の投資家の中には『分散投資は無知に対するヘッジだ。自分で何をやっているかわかっているものにとって、分散投資はほとんど意味がない』という方もいます。世界三大投資家の一人、ウォーレン・バフェットです。彼は株式投資の中でも3~5銘柄に集中して投資することで財を成しました。

機関投資家として専業で投資を生業としている人にとっては分散投資は必要ないのかもしれません。私の場合は資産の半分はインデックス投資でしっかりと分散しています。そして、残りの3割は仮想通貨などハイリスク投資をしています。

このバランスは個人の適正によって大きく異なってきますよ。

投資の複利効果を知る

複利とは投資を行った金額で得られた利益をそのまま投資に回すことで得られる利益のことです。複利では利子にも利子がつくため、雪だるま式に資産が増えていきます。逆に単利とは、投資で得られた利益を投資に回さないことをいいます。複利の効果を活用すると資産はどんどん増えていきます。

出典:金融庁

この複利は長期間投資を行えば行うほど、効果が高くなっていきます。たとえば、金融庁で紹介している上記の図のように100万円の資産を年率10%で運用し、複利で10年運用すると259万円になります。しかし、単利で運用すると200万円で、60万円もの開きが出てきます。資産運用が20年、30年となるとさらに大きな差となります。

また、複利は資産が多いほど効果が高くなります。投資を行っているお金持ちほどお金が貯まりやすいと言われているのは、この複利の効果があるからです。ただし、年率10%という利回りは投資初心者にはハードルが高いかもしれません(7%あれば良い方)。

一般的に株式投資のリターンは7%程度になると言われています。これは、東証1部全銘柄の株式益利回りが7%程度に落ち着くことが多いからです。

ちなみに世界一の投資家ウォーレン・バフェットの37年間の年間平均リターンは22.6%です。正に投資の神様と言えます( ゚Д゚)。逆に言うとウォーレン・バフェットでも22.6%なのですから、1年で資産を2倍にしたいと考えるのはかなりリスクを取った運用と理解する必要があります。

まとめ

投資で最も大切なのはリスクでもリターンでもなく、適正なリスクを取れているか理解することです。投資の失敗の多くはリスクとリターンの関係を理解していないことから起こります。個別株がハイリスクと気づかずに一点集中してしまったり、必ず儲かるという投資に手を出したりするのは適正リスクを理解できていません。

逆に、私は適正リスクを理解していれば、個別株や仮想通貨で一点集中しても良いと思っています。すべてを失う覚悟やそれでも一発逆転に賭けたいという気持ちはわかります。自分が何をしているのかわかっていれば、それはその人にとって挑戦する意味のあることだと思います。

実際には「投資で破産した・・・。」という話はほとんどありません。メディアはどうしても「仮想通貨で破産!」や「大儲けした!」との情報が流れやすいです。メディアの立場として極端な情報を伝えた方が、視聴者の関心を引けるからです。実際には、投資で大損した人も大儲けした人もそう多くはいません。

投資は投資を行う方法を決めて、自分のライフプランに合った取り組み方をすれば怖くありません。世界のお金持ちのほとんどが投資を行っているのは、長い目でみるとリターンの方が大きいからです。

しかし、投資に対してどうしても不安が強いという方は投資をしない選択もありですよ。生活をより豊かにするための投資が不安の元になってしまうようでは意味がありません( ゚Д゚)。投資をはじめたい方は、まず投資を行う目的やライフプランを決めてから取り組んでみてくださいね。以下の記事も参考になると思いますので是非ご覧ください。

投資の目的を明確に
投資をはじめる前に!投資の目的を明確にしよう資産運用の目的が明確でないと投資で失敗をする確率がとても高くなります。欲張り過ぎて大損したり、損失を受け入れられず大勝負して大損すること...