株式投資をはじめる前に株に対する基本的な知識を身につけるのは必須です。特に、初心者のほとんどは株式投資がブームとなってはじめて投資をはじめます。過去の私のことですが( ゚Д゚)!!株式市場が好調な時ほど流れに乗って利益が出ます。そういうときほどしっかりと守りも固めないと暴落相場で上昇分を全て失うのです。もちろん、過去の私のことです( ゚Д゚)!!
株とは企業が資金を集めるときに発行するものです。たとえば、あなたが素晴らしい事業を思いついたとします。そこで起業して事業を行っていましたが、事業を大きくするためには元となる資金が足りません。
そんな時にどうしますか?
友人や銀行からお金を借りる方法もありますが、友人はそんなに大金を持っていないかもしれません。銀行は実績がない者にはなかなかお金を貸してくれません。
でも世界にはそのビジネスの価値を理解し、お金を出してくれる人がいるかもしれません。そこで会社は資金を出してくれる投資家を募集してお金を集め、かわりに株を発行します。株を受け取った投資家はその会社の株主になります。
株主は出した金額に応じて会社の経営権を得ます。出資金全体の10%を出していれば、会社の経営権が10%手に入るのです。つまり、株を保有するとはその会社のオーナーになるということなのです。
株式投資で得られる利益は?

では投資家にとって株を購入することでどんなメリットがあるのでしょうか?株で得られる利益は大きく分けて3つあります。
- 配当金
- 株の売買益
- 株主優待
配当金
配当金とは企業に儲けが出たときに、株を保有する投資家に儲けの一部を還元してもらうことです。配当金は保有する株の量が多いほど高くなりますが、企業の業績によって無配といってもらえない場合もあります。この配当で得る利益のことをインカムゲインといいます。
東証1部の予想平均配当利回りは1.93%(2021年)になっています。米国株の平均配当利回りは日本株と比べるとさらに高くなっています。どちらにしろ配当金の利回りは銀行貯金と比べるとかなり利回りが良いことがわかります。
1株当たりの年間配当金=1株当たりの年間配当金÷株価×100
株の売買益
株の値段である株価は常に変動しています。企業が成長するとその企業の経営権の価値が上がり、株価も上がります。逆の業績が悪化すると株価は下がります。株の売買益とは成長の見込める企業の株を安く買って、高く売ることで得ることのできる利益のことです。投資初心者が株式投資の利益でイメージするのは、この株の売買益ではないでしょうか?
たとえば、最初は3,000円で購入した株を3年後に9,000円で売った場合、株価と収益は3倍になります。実際にはこの売買益+3年分の配当金が加わるため、もっと大きな利益を上げることができます。このように株の売買益で得る利益のことをキャピタルゲインといいます。
しかし、3,000円で購入した株価が1,000円になるということもあります。株式投資は株価の変動によって得られる利益は大きいのですが、結果が予測しにくく損失を出すこともあります。そのため、ハイリスクハイリターンの投資と呼ばれているのです。
株主優待
一部の企業では株主優待という制度があります。企業が「うちの株を保有してくれてありがとう」という意味で送るプレゼントのことです。有名なのはテーマパークのワンデーパスや航空会社の航空運賃50%割引券などがあります。この株主優待を目的に株を買う投資家もいますよ。株主優待制度は日本独特の慣習であり、外国株には基本的に株主優待制度はありません。
株式投資で得られる利益は配当金、株の売買益、株主優待などがあります。これらをざっくりと計算すると堅実に運用しても利回りは3~6%と言われています。5%で運用しても普通貯金の250倍になります。
中には利回り40%をたたき出す天才的な投資家もいます。もちろん、それなりのリスクを抱える必要がありますので、高い利益を出した投資家の裏には株式投資で大きな損失を出した人たちがいます。
株式投資のリスクは?

ではリスクにはどのようなものがあるでしょうか?まず、投資家が株を買って企業に出資した場合、出資金は返ってきません。投資家は事業資金を提供するために株を購入して事業のオーナーとなったため、事業が失敗しても事業資金は返ってこないのです。
よくテレビなどで「会社が倒産して株が紙切れ同然となった。」という話を聞いたりしますが、それは経営権である株の価値がなくなってしまったということです。
さらに、株価の予想は非常に困難です。株価の値動きは、どの時点においても長期的にも短期的にも「上昇と下降の可能性」がほぼ同じであり独立した事象であるから、過去のトレンドやデータによって将来の値動きを予測することは不可能だと言われているのです。これが株式投資の世界で有名なランダムウォーク理論です。
ランダムウォーク理論では、目隠しをされたサルが新聞に掲載されている銘柄一覧に向かってダーツを投げ、命中した銘柄を組み込んだポートフォリオと、金融のプロが厳選した銘柄を組み込んだポートフォリオの運用成績に大差はないと説明しています。実際の実験結果でも大差なしという結果が出ました( ゚Д゚)!
株式投資にはこのようなリスクがありますが、代表的なリスクは5つあります。
株式投資リスク | 内容 |
価格変動リスク | 市場環境の変化によって投資商品の価格が変動するリスク |
為替変動リスク | 為替の変動によって外貨建て投資商品の価格が変動するリスク |
カントリーリスク | 国の政治や紛争によって投資商品の価格が変動するリスク |
信用リスク | 国家財政や企業業績の悪化・破綻によって投資商品の価格が変動するリスク |
流動性リスク | 投資商品の買い手が減り、売却ができないリスク |
このように、株式投資には様々なリスクがあるため、どんなに能力の高い投資家でも株価の変動を正確に予測することは困難なのです。一方で、これまで株式投資は上昇と下落を繰り返しながら長期的には上昇しています。経済が成長すれば株価も成長するからです。
株式投資をはじめるときは、長期的に株価は上昇すると理解しながら、短期的には予測できないということを知る必要があります。
また、リスクの直撃を避けるために、考えられたのが資産を分散してリスクを和らげる分散投資(ポートフォリオ)です。ポートフォリオについては以下の記事を参考にどうぞ!

株式投資で資産を守る

株式投資にはリスクがある一方で資産を守る役割もあります。たとえば、資産が銀行貯金のみの場合、実は様々なリスクがあります。日本が借金を返せなくなって破綻した場合、日本円の価値は暴落し、銀行に預けた円もほとんど価値がなくなってしまいます。また、日本政府が貯金封鎖を行う可能性もありますし(実際に日本政府は1946年に行った)、銀行が破綻した場合も資産は失われてしまいます。
このように円の価値が暴落するようなリスクに対しては、資産を株として保有することで回避することができます。株式投資には資産を円だけで保管するのではなく、株という形で分散して保管することで様々なリスクを減らすという役割もあるのです。
株式投資初心者が大切にするべきこと
株式投資をはじめるときに最も大切にするべきことは、ゆっくりと資産を成長させていくことです。なぜなら、投資をはじめた人に最も多い失敗は、急いでお金持ちになろうすることで起こるからです。急いで金持ちになろうとする人は、誰かが儲けたと聞くとその銘柄を買います。さらに欲張って資産のほとんどをその銘柄に投資することもあります。
そのような行動は時々利益を上げることもありますが、いつか株価の暴落に巻き込まれて多くを失うのです。株式市場では、短期間に巨額の利益を叩き出す有名トレーダーや個人投資家が現れては消えていきます。人間には長期的な利益よりも目先の利益を優先する傾向があります。「早く金持ちになりたい」という人間の欲がギャンブル的な投機に走らせ、ほんの一握りの成功者とその他大勢の失敗者をつくるのです。
投資の神様ウォーレン・バフェットは人間の欲を理解し、徹底的な複利の力を使った長期投資を行います。自分の理解できるビジネスを徹底的に調べて選んだ優良銘柄に長期投資することを好みます。
バフェット氏は派手に値上がりするようなテクノロジー銘柄を選ばず、毎年堅実な成果(決算)を上げる企業に長期間投資するというシンプルなものです。テクノロジー企業の株価が1年で3倍になる中で、1年で5%成長し続けている優良企業の株を買うのです。その結果、世界3大投資家と言われるまでになりました。
AmazonのSEOであるジェフ・ベゾス氏がウォーレン・バフェットに「何でみんなあなたの投資戦略を真似ないのですか?」と尋ねたことがあります。
その時にバフェットは「ゆっくり金持ちになりたい人なんていないよ。」と答えました。とても真実を突いた言葉です。
私たちは複利で資産をコツコツと増やせることを理解していたとしても、そのかかる時間を我慢できません。長期的な思考ができずに、ついつい目先のチャンスに乗っかり、振り回されてしまうのです。資産形成の王道は、長期投資して複利効果を狙うことです。つまり「ゆっくり金持ちになることですよ」と世界屈指の大富豪が身を持って証明しています。
最初はみんな初心者でした!コツコツ実践していきましょうね!それでは今日もEnjoy Yourself!!