投資の思考

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いは?

天と同じく、市場はみずから助くるものを助く。しかし、天と違って、市場は右も左もわからぬ者を許さない。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェットはこのような言葉を残しました。

投資市場はあなたが右と左の違いさえわきまえていれば、お金持ちになる機会をくれます。しかし、右も左もわからないまま参入すれば、市場は何のためらいもなく、あなたの財産をむしり取りにかかります。

株式投資やFX投資の基本法則は「安く買って、高く売る」ということです。ですから、どの株が安くて、これから高く売れるかさえわかれば良いのです。この買い時と売り時を分析する方法に、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。

ファンダメンタルズ分析は、企業の財務状況や業績をもとにして、本質的な価値を見極めます。会社の価値に対して株価が割安か、今後の成長が見込めるかを分析するのです

一方、テクニカル分析はこれまでの株価のチャートを分析することで、株価が割安か割高かを判断します。チャートの動きや他の投資家の心理から、株を買うべきかどうか判断するのです

基本的に短期投資を行うデイトレーダーは、テクニカル分析を重視しますが、長期投資ならファンダメンタルズ分析を重視します。投資家には様々なタイプがあるため、どちらが良いかというのはありません。その人の性格や投資スタイルによって異なってくるのです。

ファンダメンタルズ分析の基本

ファンダメンタルズ分析は「企業の本質的な価値」を分析して「企業価値に対して株価が割安か」という部分をみます

まずは財務諸表や四季報を使って、企業の安定性や成長性、収益性を分析します。

安定性

安全性の分析では、企業の財務状況を分析します。

どれだけ高収益の企業でも、借金が多いと経営は安定しているとは言えません。安定性の分析では財務諸表をみて、収益(資本)と借金(負債)の割合や借金を支払うだけの資産があるかという視点で分析していきます。

分析方法には自己資本比率・流動比率・手元流動性・キャッシュフローなどがあります。

成長性

成長性の分析では、企業が成長しているかどうかを分析します。

過去5年~10年分の売上高、営業利益、経常利益(特別な損益を除いた1年間の利益)、最終利益の成長率(前年からの増減率)を見ていきます。

売り上げの成長率によって、企業の将来の成長をある程度予測することが出来るのです。

ただし、成長率は高ければ良いというものではありません。IT系企業のように移り変わりの激しい業界では、とんでもなく高い成長性を残した数年後に破産するような企業もあります。ですから、長いスパンで見て安定した成長率があるかどうかが大切です。

分析方法にはEPSの経年変化やキャッシュフローなどがあります。

収益性

収益性は企業がどれだけ利益をあげやすいかという点を分析します。

例えば、2つの弁当屋さんがあるとします。A弁当屋は原価が400円の弁当を1,000円で販売、B弁当屋は原価500円の弁当を1,000円で販売しています。この2つでどちらの収益率が高いかというと、もちろんA弁当屋さんの方です。

また、収益性はブランド力をみる指標にもなります。例えば、ディズニーランドは独自のブランド力があるため、価格競争を行う必要がないので収益性も高くなります。逆に、ガソリンスタンドはブランド力は関係なく、価格競争で値段を下げるしかないため、収益性が低くなります。

収益性の高い企業ほど競合他社が少なく、独自のブランドを築いている企業と考えられるのです。収益性の高い企業ほど、株主にとって投資した資本に対してのリターン(利益)が大きくなります。

分析方法には売上比率やROE、ROAなどがあります。

本質的価値の高い企業を探し、割安かどうか判断する

企業の安定性、成長性、収益性を分析して優良企業と判断したら、あとは現在の株価が割安かどうかを分析します。特に誰にも見向きされていない優良企業を発見することができると、株価は大きく跳ね上がります。

しかし、ほとんどの優良企業では株価はすでに値上がりしている可能性が高いです。そのような企業の場合は、株価が値下がりするまでじっくりと待ちます。

ファンダメンタルズ分析のポイントはここにあります。どんなに優良な企業でも株価が高いところで買ってしまっては、あとは落ちていくリスクの方が高いのです

分析方法にはPBR、PER、PCFR、理論株価などがあります。

ファンダメンタルズ分析について詳しく知りたい方は、俺たち株の初心者!ファンダメンタルズ分析を参考にどうぞ。

テクニカル分析の基本

テクニカル分析では、チャートの変化を見ながら株の値動きを予測します。まず「順張り投資」と「順張り投資」の2つを覚えましょう。

順張り投資

順張り投資とは、株価が今後もまだまだ上がると予想する時に買い、株価が下がると予想する時に売る、という投資の方法です。

順張り投資は株価が上がりはじめ、今後も上がっていくと考えられるときに買います。上がり始めは出遅れてしまうため、大きな利益は得られませんが、初心者に向いています。

逆張り投資

一方、逆張り投資とは、株価がこれ以上下がらないと予想する時に買い、株価が上がりすぎてこれ以上上がらないと予想するところで売る、という投資方法です。

逆張り投資は底値で買って、上がってから売るため短期間で大きな利益が出ます。ただし、「底値」を見極めるのは難しく、経験と勇気が必要ですので、初心者には不向きといわれています。

順張り投資なら「株価は上がり続けるか?下がり続けるか?という方向性(トレンド)を分析」します。逆張り投資なら「株価は底値か?天井か?という相場の強弱(オキレーター)を分析」します。

分析方法の種類は以下のものがあります。

テクニカル分析の種類
順張り投資
(トレンド系)
  • 移動平均線
  • ボリンジャーバンド
  • パラポリック
  • ポイント・アンド・フィギア
  • ペンタゴンチャート
逆張り投資
(オキレーター系)
  • RSI
  • ストキャスティク
  • DMI
  • MACD
  • CCI

はっきり言って、私はほとんどわかりません(笑)。詳しくはセントラル短資FXを参考にどうぞ。

株価が大きく伸びる企業を選ぶには?

結局、株価が大きく伸びる株を発見するためにはどうしたら良いのでしょうか?

一つ目は、中小型株と言われる時価総額の低い銘柄を選ぶことです。大企業はすでに成長しきってしまっているので、株価はなかなか伸びません。中小型株なら、収益率の高まりに伴い、株価が10倍化(テンバガー)する可能性もあります。

大企業の安定性や配当金に魅力を感じる方は、リーマンショックのように株価が全体的に大暴落する機会をじっくりと待つと良いでしょう。

二つ目は、これまで低迷していた会社が爆発的にヒットを予感させるような新製品を出したときに株を購入する方法があります。

たとえば、2013年にガンホーオンライン・エンターテイメントは「パズドラ」の大ヒットによって、株価を100倍に伸ばしました。爆発的な大ヒット商品によって、業績が大きく伸びることもあります。

株価が大きく伸びる企業を選ぶには、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を使い分けながらじっくりと優良企業の株価が割安となるのを待つのです

どちらにしろ、投資においては利益を求めすぎると値上がりや値下がりに一喜一憂して苦しくなります。自分の性格も考慮したうえで、自分に合った投資手法を選ぶのが良いですね。

ギャンブルのように短期での売り買いが好きで、瞬発力があるならテクニカル分析を中心に学び、長期的な視線で我慢強く待ち続けられるならファンダメンタル分析を中心に学ぶと良いです。

ただし、ウォーレン・バフェットのように大成功している投資家の多くは、ファンダメンタル投資で長期投資を行う人が多いです。短期投資は100試合中99試合勝っても、残りの1試合で全てを失うことがあるからです。

あなた自身が豊かに生活できる投資方法を選んでくださいね。私は、性格的に長期投資でゆったりと待つ投資方法が合っています。基本的にチキンなので短期投資は非常に疲れます。私が実践している投資法は以下の記事を参考にどうぞ。

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それではみなさん豊かな投資ライフを!