日本財政

日本の財政状態はかなり危機的な状況にある。財政破綻はあるの?

日本政府の債務は世界の国々の中でも突出しています。ニュースや新聞でもたびたび報道されますし、日本財政って本当に大丈夫なの?と心配になります。

日本の財政状態は専門家の中にも破綻するという『財政破綻論者』と破綻はしないという『財政破綻否定論者』に分かれています。財政破綻とは正確には日本政府が国債や債務を支払えなくなる(デフォルトする)ことを言います。しかし、最近では財政破綻をより広くとらえて、極度のインフレによって円の価値が暴落して国家運営に深刻な支障をきたすことも財政破綻と話す専門家もいます。

私は日本が大好きですが、政府と日銀がこのまま出口の見えない金融緩和を続けるようなら財政破綻へつながると考えています。

今回は日本が財政破綻の危機にある理由についてまとめていきたいと思います。読み進める中で意味がわかりにくいという方は、以下の記事で経済の仕組みについておさらいするとわかりやすくなりますよ。

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日本が財政破綻の危機にある5つの理由

日本は財政破綻の危機状態にあると言われています。それはメディアや新聞でもたびたび報道されていますし、経済専門家も警告しています。私が特に財政破綻を心配する理由は5つあります。

  • 日本の政府債務は世界でも突出して高い
  • 日本国債の残高は年々増え続けている
  • 日本は財政ファイナスを行っている
  • 日銀の金融緩和は出口戦略がすでにない
  • 日本の長期的な経済発展は望みが薄い

日本の政府債務は世界でも突出して高い

日本政府の債務残高は年々増加しており、前年度と比べて減ったことはありません。2018年現在は1,310兆円もの膨大な債務を抱えています。

ただし、債務が増えることは悪いことではありません。お金を借りて世の中にお金を回すことで景気を良くし、経済を発展させることができるからです。近年は日本以外の主要先進国も債務が増えていく傾向にあり、一概に債務が悪いということではないのです。日本の場合、問題は債務が自国の経済力に比べて大きすぎることです。

政府債務を見る指標としては政府総債務残高(対GDP比)と政府純金融債務(対GDP比)がよく使われています。

GDPとは「国内総生産」といって、国内で生産された物やサービスの総額です。その国の経済の大きさを表す数値で、GDPが大きい国は経済規模も大きく、借金を返済する能力が高い国と言えます。GDPランキング1位:アメリカ、2位:中国、3位:日本、4位:ドイツとなっています。

政府総債務残高(対GDP比)は世界ワースト1位

政府総債務残高(対GDP比)は債務残高を国の生産力で割った数字です。日本のGDPは約500兆円ですので、政府総債務残高(対GDP比)は236.39%となり、世界ワースト1位となっています。これは、財政危機に陥ったギリシャよりも財務状況が悪いということです。また、アメリカは借金大国と言われますが、GDPが高くて経済規模も大きいため日本と比べて財務状態が悪いとは言えません。

出典:世界の経済・統計 情報サイト

さらに日本はプライマリーバランスも赤字が続いており、黒字化のめどはたっていません。プライマリーバランスとは、入ってくるお金と、出ていくお金のバランスのことです。国の一般会計において、歳入総額から国債等の発行(借金)による収入を差し引いた金額と、歳出総額から国債費等を差し引いた金額のバランスを見たものです。プライマリーバランスが黒字ということは借金に頼らなくても国家運営ができることを意味します。逆に、プライマリーバランスが赤字ということは、借金をしないと国家運営ができないことを意味します。

日本の平成30年度一般会計歳出・歳入を参考にすると税収が59兆円に対して、基礎的財政支出が74.4兆円となっています。プライマリーバランスは15.4兆円の赤字となっています。政府はプライマリーバランス黒字化を2020年度目標としていましたが、2025年度の5年先送りするとしています。問題の先送りはここでも健在ですね!

出典:平成30年度一般会計歳出・歳入

ちなみに財務省は日本の財務状況を家庭にたとえて表現しています。日本を仮に月収50万円の家庭とすると、収入が月50万円なのに月80万円を使って生活していることになります。不足分の30万円は借金で補い、こうした借金が累積して8,400万円のローン残高を抱えています。財務省のHPにも以下の動画があります。

このような日本の財政状況についてはIMF(国際通貨基金)の前副専務理事加藤隆俊氏も危険性を指摘しています。詳しくは以下の動画を参考にどうぞ。

前編】日本が財政破綻するって本当なの?

【後】日本が財政破綻するって本当なの?

この動画では2020年までに日本の財政破綻の危機が言われています。実際には2013年から日銀が異次元金融緩和をはじめることで危機を先延ばしすることとなりました。

一方、日本政府の借金について考える時に資産も一緒に考える必要があります。

政府純金融債務(対GDP比)も世界ワースト1位

政府純金融債務(対GDP比)は債務残高を資産の割合を言います。政府には国債を主とする債務がある一方で、有価証券や貸付金、公的年金の積立金などの金融資産もあります。日本政府の資産は平成28年度で約959兆円、負債は約1,423兆円で差額は約464兆円です。つまり、負債から資産を差し引くと借金は約464兆円となり、対GDP比でみると突出して大きな数字にはなりません。それでも政府純金融債務(対GDP比)もワースト1位にはなります。

出典:世界の経済・統計 情報サイト

また、政府の資産の中には「公共用財産(道路や橋、ダム等」が145.2兆円、「貸付金(地方公共団体などへの貸付金)」が148兆円、「運用委託金(将来の年金給付積立金)」が115.6兆円、独立行政法人や大学法人等への出資金が57.4兆円となります。これら資産は合計466兆円になりますが、財政危機が起こった時にすぐに現金化できるものではありませんし、年金積立金を国債の支払い使用すると深刻な問題も発生するでしょう。日本政府の資産は現金化できないものも多く、借金は世界的に見ても大きいことがわかります。

このように日本は債務の多さが目立ちますが、良い部分もあります。それは、海外に多くの資産を持っていることです。日本が外国に持っている資産と債務を合算すると対外純資産残高が出ます。日本はこの対外純資産残高が328兆円あり、27年連続で世界1位となっているのです。

ただし、対外純資産残高でその国の安全性を見る場合、国のGDPと比較してみる必要があります。上のグラフで見るとアメリカは対外純資産の借金が480兆円になりますが、経済規模を考えると大きな借金ではありません。対外純資産残高を対GDPでみると以下のグラフになります。

日本は国内でかかえる借金が世界で1番多いのですが、海外にある資産も世界で1番多いのです。これが円は安全資産と言われている理由です。国内の借金が多くても、いざというときは外国にある資産を売却して借金を返すことができると言われているのです。ただし、実際には他国との関係性を考えると資産をすぐに現金化するのは難しいし、全額返ってくるかは疑わしいと言われています。

そして、ここにも落とし穴があります。日本の対外純資産残高が多いのは20年にわたる低金利と国内産業の弱体化によって、海外から日本への投資が減少し、国内企業が海外へ流出したり海外投資を行うようになったからです。国内産業が空洞化し、資産も海外へ移動してお金の空洞化が起こったのです。つまり、対外純資産残高が高いというのはその国の人気が低いという側面もあるのです。そのため、米国のように国内での投資活動が活発で世界中からお金が集まる国は対外資産残高の債務が大きくなっています。

今後、日本経済が回復して金利が上がり、日本国債や日本企業が魅力的な投資先となると国内企業や海外投資家が日本に再投資するかもしれませんね。その時は対外純資産残高が減って、国内の景気は良くなっていくでしょう。

日本国債の残高は年々増え続けている

日本国債の残高は2018年で883兆円まで膨れ上がってきています。これは日本の一般会計税収(59兆円)の15倍となります。一般家庭でたとえると、年収400万円の人が6000万円の借金をしているようなものです。しかも借金は毎年増えていくばかりで減らせたことがありません。

出典:我が国の財政事情

普通の感覚だとかなりの危機感を感じますが、この借金は帳消しにできるという方もいます。日本政府は実質的に通貨発行権を持っているため「日本円を自由に生み出すことができる」という立場にあります。

そのため、日本政府の債務返済額が1000兆円であっても、究極的には「1000兆円のお札を刷れば必ず返済できる」のです。たとえ1円の収入がなくても理論上は可能なのです。

しかし、国の中央銀行が政府の国債を購入するためにお金を印刷することは、財政ファイナンスといって、財政法第五条で禁止されています。政府の国債を購入するために中央がお金を刷ることは世界的にも禁止されているのです。

政ファイナンスとは中央銀行が政府の発行する国債などを直接引き受けることを言います。中央銀行が通貨を発行して、国の財政赤字を直接穴埋め・補填(ほてん)する措置であり、中央銀行が国家財政に資金を供給する(ファイナンスする)という意味の名称です。政府の財政規律を失わせると同時に、中央銀行の通貨発行に歯止めがかからなくなり、国の通貨や経済政策への信認を大きく損なうことにつながるため、主要先進国は法制度として財政ファイナンスを禁じています。

日銀は財政ファイナスを行っている

現在日銀が行っている異次元金融緩和は財政ファイナンスと見られてもおかしくありません。

金融緩和とは中央銀行が金利を下げることで市場に出回るお金の量を増やす政策です。金利が下がると法人や個人がお金を借りやすくなり、消費活動が活発になって景気が回復していきます。ですから、金融緩和自体は景気を回復するために大切な政策の一つです。

日銀は2013年より『異次元金融緩和』を行いました。「2%の物価上昇率(インフレ)」を目指して大規模な金融緩和を行い長期国債やETFを購入しました。その結果、株価や不動産価格は上昇しましたが、日銀が目指した「2%の物価上昇」は達成することができませんでした。

さらに、2016年には「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入しましたが、金融緩和を大胆にやったわりにはマネタリーベース(市場に出回るお金)が増えただけで、消費、投資等の民需を本格的に喚起することもインフレ率を押し上げることもできませんでした。

そして、その後も日銀は国債やETFを買い入れて金融緩和を継続しました。日銀の国債保有率は2014年18.7%であったのに対し、2018年には43.9%にまで上がっています。

このような国債の保有率の大幅な増加は様々な副作用をもたらしました。最も心配されるのは膨れ上がった日銀のバランスシートです。金利変動リスクを大きく抱えることになるので、国債の金利が高騰した場合は日銀の財務リスクが生じるのです。

なぜ金利が上がると財政リスクが生じるのでしょうか?それは国債の金利が上がると市場価格は下がり、逆に金利が下がると市場価格は上がるからです。

金利というのは、債券を一定の期間もっていたらもらえる利子のことです。たとえば金利1%で発行された額面100円の10年物国債Aを保有していて、その満期までの残存期間が平均5年だとすると、期待できるリターンは100円×1%×5年=5円の金利と償還価格100円の合計105円です。

ここで金利が上がり、新しく100円で発行される5年債Bの金利が3%になったとすると、3円×5年で金利は15円になります。このときAが市場で売れるためには、残り5年で得られるリターンがBと等しくなければならない。つまり今もっている国債Aの市場価格を100×Aとすると、

100+5=(100+15)×A

でないと売れません。この計算は小学生でもできますね。Aは約0.91、つまり91円でないと売れません。金利が3%に上がると、今もっている国債Aの価格は自動的に9%下がります。つまり金利上昇=債券価格の下落なのです。市場で取引されるのは債券価格で、金利はそこから逆算します。

金利が上がって銀行のもっている国債の価格が下がると、評価損が出ます。そうすると日銀は約445兆円の国債をもっているので、金利が1%上がっただけで26兆円以上の評価損が出ます

通常なら日銀の自己資本は5.7兆円しかないので、債務超過(普通の会社だと倒産)になりますが、日銀は普通の銀行と違って債務超過になっても政府に穴埋めしてもらえます。もちろん中央銀行が債務超過に陥る事態となると円の暴落やさらなる金利の上昇は避けられません。政府の赤字は膨れ上がり、日本経済は深刻なダメージを受けて長期国債をたくさん抱えている地方銀行や信金などはつぶれるでしょう。

「日銀が保有する国債を売らないで塩漬けにすればいい」などという人がいますが、日銀が売らなくても民間銀行が売り逃げると、金利はどんどん上がります。海外のヘッジファンドも国債の空売り(高値で売って安値で買い戻す)をかけてくるでしょう。実際に海外のヘッジファンドは何度も国債の空売りを仕掛けています。

このような事態を避けるために、日銀は一生懸命日本円を発行して国債を購入し、金利の上昇を抑える必要があります。つまり、金利上昇による債務超過や政府の財政赤字の増大を防ぐために日銀が国債を購入し続けなければならないのです。現在は日銀が直接国債を購入せるのではなく、市場に出回った国債を間接的に購入しているため、財政ファイナンスとは言えません。

ただし、市場がこのような日銀の政策を財政ファイナンスと認め、国債格付けが低下した時には国債金利の暴騰が起こる可能性が高まります。そもそも日銀が日本円を大量に発行して国債を買い占め、市場原理に反して長期金利をコントロールして政府の赤字を抑えている現在の状態をはっきりと財政ファイナンスと言う専門家もいるのです。いくらでも日本円を発行して問題が解決するなら消費税を増税する必要なんて全くありません。全ての国家が歳入不足は増税ではなく安易な国債発行をすればいいだけということになりますからね。

資源も何もかも輸入に頼っている日本は、海外からの信頼が大切です。政府と日銀の政策が財政ファイナンスと取られると、海外の国、投資家、取引先はどう思うでしょうか?円と取り引きしたくなくなるのではないでしょうか?そうなったら超円安になり、結果としてハイパーインフレになるの危険性があるのです。

実際に日本の国債格付けは徐々に低下しており、韓国や中国よりも低く見られています。国債格付けの評価が下がっているのに金利が上がらないのは、市場原理に反した政策を行っているからです。このままでは何かの拍子に「国債金利の暴騰=国債価値の暴落」が起こってもおかしくないのではないでしょうか?

財政破綻否定論者の中には日銀は政府の子会社だから円を刷って国債を買い支え続ければよいと言う人もいます。しかし、その政策は財政ファイナンスになり世界中から信用を失うでしょう。

金融緩和の出口戦略がすでにない

現在、日銀が金融緩和をやめて国債の買い支えを止めると金利は上昇します。海外の国債は日本より利回りも良く、わざわざ価値が下がるであろう日本国債を買い支える機関はありません。ですから、金融緩和は日銀が国債の購入額を減らして徐々に出口を探ることになります。しかし、それでは海外のヘッジファンドからの空売りに耐えられません。少しでも金利が上昇する気配を見せたら再度日銀が国債を買い支えなければなりません

そして日銀がこのまま国債を買い続けることはできません。このまま年間50兆円ちかく国債を買い続けると、政府国債のほとんどを日銀が保有するという異常事態となってしまいます。

さらに金融緩和が成功しても金利は上昇します。日銀はインフレ率2%を目標に金融緩和をはじめました。ところが、インフレ率が2%となると金利も上昇して2%を超えざるを得なくなります。なぜなら、インフレ率が2%のとき、銀行がこれを下回る金利で営業していると、損をするからです。

つまり、金融緩和は止めても成功しても金利上昇につながってしまうのです。

日銀内部では、出口戦略に関するシミュレーションが行われているようです。しかし、その結果は現在(2018年9月)まで未公表です。黒田総裁も岩田副総裁も、出口に関する質問に対しては「時期尚早である」と連呼しています。

このままでは金融緩和の出口が『財政破綻』『国債デフォルト』『貯金封鎖』『ハイパーインフレ』などのネガティブなものしかないと思えてなりません

日本の長期的な経済発展は望みが薄い

国の借金は過去30年間で一貫して増え続けてきており、減ったことは一度もありません。つまり、私たちは今後も借金を返すことはできませんし、期限を迎えた借金をひたすら借り換え、さらに借り増しをする一方です。このようなこと自体が異常だと思いますが、それでも日本が経済成長を続けていれば借金の増加をとどめることくらいはできます。日本経済が成長して発展していけば望みも出てきます。

しかし、日本経済の発展は長期的に見ると望みが薄いと言わざるを得ません。少子高齢化問題、新技術や経済発展の芽である分野への規制(仮想通貨技術、シャアリングエコノミー、ドローン、VR、民泊)、最先端分野の技術者の流出などは最大の強みであった技術力を低下させています。

すでに情報技術ではアメリカや中国に大差をつけられています。エンジニアは平均年収もメリカが857万円なのに関して、日本は441万円と約2倍の差がついています。これでは優秀な技術者から海外に流出しますし、それはすでに起こっています。規制が多く技術者の年収も低い国であれば、新しい分野を開拓できる優秀な人材から流出するのは当たり前といえば当たり前です。

日本の成長がすでに止まっているのはデータを見てもわかります。日本の名目GDP(国内総生産)はこの30年間でわずか1.5倍にしかなっていません。米国は4.1倍、英国は4.9倍、韓国は17.8倍、中国は何と75倍にも増えています。世界の実質GDP成長率推移を見ても日本は先進国の中でも成長率が低いことがわかります。今後もこの傾向はかわらないのではないでしょうか。

成長率が低い日本には今後、投資資金も集まりにくくなりますし、国民は将来の不安から貯蓄率をさらに高めて投資を行う様子も見られません。

このように経済成長も見込めず、借金ばかりが増えていく中で日本政府は国民の資産を把握するために必死です。マイナンバーは個人資産を把握するための仕組みですし、国外に5000万円以上の資産を移す場合にも申告が必要になりました。海外への資産の移動はかなり難しくなって、海外の銀行口座は日本政府の圧力によって開設が困難な状態です。

このような状況に危機感を抱いた富裕層の人から居住地を海外に移しています。日本から離れることで資産を守ろうとする人も出てきているのです。ただし、このような流れは日本だけに限ったことではありません。現在のように先進国がお金を刷り続けて債務が増え続ける状況では、資産家から危機を感じて財政が健全で税金の安い国へ人が流れていくでしょう。

日本は経済的な成長を目指すのではなく、今後国力が低下していく中で経済ではなく国民の幸せにフォーカスする必要があるのかもしれません。

海外金融機関やメディアは日本の将来を危惧

日本メディアと海外メディアでは日本経済に対するとらえ方はかなり異なります。日本メディアが日本財政について強気で発言したり、景気や株価上昇の報道を中心に流すのに比べ、海外は日本財政について否定的な発言が目立ちます。

国際通貨基金(IMF)は、安倍政権が2019年10月に消費税を引き上げたとき、日本の経済成長は一気に鈍化するだろうと見ていますし、「最低でも15%に消費税を引き上げないと日本は財政破綻する」とまで報道しています。ブルームバーグ(4月17日付)は、「2019年は日本経済は粉砕される年になる」と報じ、CNN(5月15日付)は、「何十年も続いた日本の成長軌道が終点を迎えた」と報じています。

フィナンシャル・タイムズは、「今のところ予想に過ぎないが、おそらくそうなるだろう」と控え目ながらも日本経済に赤信号を灯ったことを警告しています。金融大手のINGは「日本の人口統計を見る限り、今後、ますます若い労働力の比率が下がっていくので、必然的にGDP成長率を低下させることになる。他の先進国では日本など急激に高齢者が増えないので、日本は他国の成長率に追いつかない」と述べています。

そして、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャー氏も日本に対して「安倍政権は日本を崩壊させている」と警告しているのです。

もちろん海外メディアの中にも日本経済に対して前向きな見方をしているところもあります。日本は教育水準が高く、失業率も低いため海外と比べると雇用動態が安定しています。また、富裕層は少ないのですが、貧困層も少なくなっており格差の小さい社会と言われているのです。

しかしながら海外メディアは日本メディアと比べると日本経済に関して否定的な見方をするところが多いのです。それは海外のシンクタンク(経済研究機関など)も同様で海外ヘッジファンドは2017年以降日本株に空売りを仕掛けている状態です。

また、実は日本は意外と報道の自由が許されていません。報道の自由度ランキングでは世界で67位ですし、メディアも忖度が得意なため、政府の意向に沿った報道をすることが多いです。日本政府としては日本財政健全化をしっかりと行えているという印象を与えたいので、株価の上昇や企業収益の増加に目も向ける報道が多くなりますが、海外からは否定的に見られている方が多いのです。

日本財政破綻のきっかけは金利の上昇

では日本の財政破綻はどのようなきっかけで起こるのでしょうか?様々な要因が関係しますが、決定的な要因は金利の上昇です。

日本政府は現在巨額の財政赤字を健全化するために金融緩和や消費税増税をはじめ様々な政策を行っています。しかし、それでも財政健全化が進まない場合、各付け機関の評価が下がり、市場にも警戒感が出てきます。すると金利は上がります。

金利が上がると政府の債務の利払い費も上昇します。財務省は金利が1%上昇すると利払い費などを含めた国債費が3.6兆円増え、2%上昇すると7.3兆円増えるとの試算をまとめました。現在は金融緩和によって日銀が無理やり金利上昇を抑えていますが、これが財政ファイナンスと捉えられて抑えられなくなると政府債務は膨大な勢いで増えていきます。するとさらに金利が上昇するという負のスパイラルに陥ります。

つまり金利が一度上昇をはじめると政府債務は増え続けて歯止めが効かなくなるのです。ですから、金利上昇がはじまると財政破綻へと近づいていくことになります。

日本が財政破綻に至る流れは?

では日本財政はどのような流れで破綻に至るのでしょうか?私は以下のような流れをイメージしています。

ポイントは日銀が金融緩和を終了すると金利上昇を抑えられなくなるということです。金利が上昇すると財政悪化につながるため、日銀は国債を買い支えて金利の上昇を抑えることになります。しかし、それは財政ファイナンスであり、市場がそのようにとらえた時に国債の暴落と金利上昇は避けられません。つまり、今までに説明してきたように日銀の金融緩和には前向きな出口が見当たらないのです。

このように私自身は日本の財政状態についてかなり危機感を持っています。それは日本だけでなく、世界経済全体にも言えることです。返すことのできない借金に対して、お金を刷り続けることで自転車操業を行うことが永遠にまかり通るのでしょうか?もしそうなら消費税増税も所得税増税もせずにお金を刷り続けて配ればすべて解決してしまいます。

経済学の格言に「ノー・フリーランチ」(ただ飯は無い)というものがあります。人類史上、お金を大量に刷り続けることで一時的に景気が良くなってもそれが長続きした試しはありません。

近代において、貨幣とは「共同幻想」です。古代には、狩猟で得た動物の肉や魚を交換するという物理的な価値があった貨幣が、やがては中央銀行が発行した紙切れへと変化します。誰もがただの紙切れを貨幣(紙幣)と信じるからこそ、貨幣として通用するのです。そんな共同幻想によって支えられている以上、人々の政府への信頼が失われれば、それはただの紙切れになるのです。狸が人間を化かすのに使った葉っぱのように。

財政破綻について危機感を持っている方は以下の記事も参考にどうぞ。

日本の財政破綻に備えるためには?インフレと円安から資産を守る日本の財政破綻についてはもはや杞憂とは言えない状況です。膨れ上がる政府債務は日銀の金融緩和による低金利政策によってなんとか抑え込んでいま...