セミリタイアのポイントはシンプル。投資による不労所得と労働所得が生活費を上回ればよい。
つまり、セミリタイアに必要な資産規模は以下の3つによって決まる。
- 投資利回り
- 労働収入
- 生活費
資産運用による収入と労働収入が生活費を超えれば良いので計算は簡単なんだ。もちろん、実際にセミリタイアしている人たちはしっかりとリタイア後の収入、出費を計算して計画的にセミリタイアをしているよ。
たとえば、子供の人数によって生活費は上がっていくし、冠婚葬祭や急な出費にも対応できるようにしておく必要がある。そのような将来のビジョンと照らし合わせたうえで、総合的に判断してセミリタイア生活に移行していくんだ。
セミリタイアの例を紹介
それではセミリタイアの例を紹介するよ。セミリタイア生活に関しては、60歳から働かないで生活するためには2,000万円の貯金が必要だと言われている。だから最低限2,000万円以上あればセミリタイアは視野に入ってくる。
参考:ダイヤモンドオンライン
30代独身男性で結婚予定なし:資産2,000万円
30代独身で結婚の予定がない場合は生活費もかからない。地方で生活費が抑えられる環境なら2,000万円でもセミリタイアは可能な範囲だ。
2,000万円を年利8%で回せば税引き後の年間収入は128万円になる。これに簡単な仕事で毎月5万円くらいあれば年間188万円の収入になる。すると生活費が毎月15.5万円より低ければセミリタイアは可能だ。
結婚はしないと決めている人なら2,000万円でセミリタイアできる。副業やバイトで稼いで趣味にお金をかけたり、資産をさらに増やしていくことも可能だ。ただし、少しでも結婚を考えているならこの資産規模でセミリタイア難しい。
40代既婚女性で子供1人:資産5,000万円
40代既婚女性で子供が一人ならそれなりの生活費がかかる。もちろん子供の大学進学を考慮して教育費を貯めておく必要もある。それでも60歳までに2,000万円くらいあればよいのだから十分に可能な範囲だ。
資産5,000万円なら投資で年利7%で回せば税引き後の年間収入は280万円になる。これに副業で月10万円ほど稼げば年間400万円の収入になる。すると生活費が毎月33万円より低ければセミリタイアは可能だ。
子供の教育費(大学進学で300万円)を考えると生活費を毎月30万円に抑えると大学進学費用も確保できる。
30代既婚男性で子供2人:資産1億円
資産1億円と言えば、いわゆる富裕層と言えるレベルだ。子供が2人いても贅沢さえしなければ働かなくても暮らせる。ただし、傾向として資産規模1億円貯めることができる人はかなりの仕事人間で、セミリタイアというライフスタイルよりも仕事中心の生活を選びやすい(笑)。
資産1億円なら投資で年利5%で回せば税引き後の年間収入は400万円になる。仕事を全くしていないとしても生活費が毎月33万円以下なら問題ない。もちろん、年に数回は海外旅行に行きたいなど、より贅沢な暮らしを楽しみたいなら仕事を行うと良い。
ちなみに相続以外で1億円規模の資産をつくれる人はかなり稀な存在だ。卓越した投資能力があるか起業家として自分の事業を持っているような人になる。だから、そのレベルで仕事をしていないということはほぼない。
逆に言うと、1億円を貯めてセミリタイアしたいという人は普通に働いていてはまず無理だ。自分で事業をはじめるか、おすすめしないがハイリスク投資を行うかしかない。例外として年収2,000万円という大企業役員クラスの仕事につく方法もあるが、可能性や時間的ななリスクを考えると効率よいとは言えない。
セミリタイアしながら自由に暮らす
このようなセミリタイアは誰もが憧れる生活だし、資産規模5,000万円なら難しくはない。浪費を抑えて稼いだお金をしっかりと貯めて投資に回せば十分に可能だ。
最低限の生活費を稼ぎながら、家族や友人との時間を楽しむ。趣味を楽しみ、好きな仕事を好きな時間行うこともできる。
毎日、決まった時間に決まった人と同じような仕事をすることと比べたらすごく豊かなのではないだろうか?
セミリタイア生活をしてみて
実際に私は34歳くらいからセミリタイア生活だ。一度は完全リタイア生活を試してみたけど、これは無理だった。1か月で飽きるし、誰とも会わない生活はメンタルがすごく落ちる。もう、社会とのつながりもなくて「産まれてきてごめんなさい・・・」というレベル。
これは人によると思うけど、周りでセミリタイアしている人のほぼ90%はまた仕事をはじめる。仕事を通して誰かとつながって、誰かが喜んでくれるって本当にありがたいんだ。
今は週に2日は働いているし、何だかんだで週に3日使って民泊経営をはじめてみたり、放課後等デイサービスなどの新規事業をはじめている。もちろん、新規事業は失敗の連続でうまくいかないこともある。
でもそれも含めて。やっぱり働くって楽しい。これは自分で仕事を作って働く醍醐味であって、私が完全リタイア生活よりもセミ(半分)リタイアにこだわる理由はここにある。たぶん、このブログの読者さんもセミリタイア生活をはじめたら、「やっぱり働きたい!」って人多いと思うから(笑)。
セミリタイアにはいつでも働ける備えが欲しい
セミリタイア生活で一つ覚えておいてほしいことがある。資産がどれだけあってもいつでも働いておけるスキルは持っておいた方が良い。
かつては日本でも貯金封鎖やハイパーインフレなどの財政破綻のような状況は起こった。私は会社経営をはじめて決算書をつくるようになってから、日本の財政状況はかなり心配している。日本の財政状況は一企業なら3回は破綻しているレベルのバランスだ。収入に対して支出が多すぎるし、借金を返すのはもはや不可能に近い。
これからの時代はどうなるかわからないし、まあわからないから心配する必要もないけど、何があっても生きていけるスキルを身につけてからセミリタイアした方が良いと思っている。