仮想通貨投資

インフレ対策にビットコインは有望?

ビットコイン

私は2017年からビットコインに投資していますが、2021年となってその意味合いは大きく変わってきました。2017年は純粋に資産の増加を目的に投資しましたが、現在はインフレヘッジ(インフレ対策)としてのビットコインに魅力を感じて投資しています

コロナウイルスの流行で世界的に金融緩和と商品供給不足が起こりました。その結果、世界的にインフレが起き、アメリカの消費者物価指数(CPI)の前年同月比は4月から4%を超えて高止まりしています。

アメリカ消費者物価指数

アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、これまで「今回のインフレは一過性のもの」と述べていましたが、2021年10月にはとうとう「予想よりも長引く可能性が高い」と述べ、インフレが長期化するリスクに警戒感を示しました。

これまで、このようなインフレ局面では金が買われてきました。しかし、現在では機関投資家が金ではなくビットコインを買うようになりました。ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれ、送金の利便性や貸し出しによる利回りの獲得、技術的な将来性など金に勝る点が多いからです。

ヘッジファンドの大物、ポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones)氏がビットコインを70年代のゴールドにたとえ、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)の債券担当CIOは「ビットコインはゴールドを大規模に置き換えることができる」と述べました。

2021年は多くの有名ファンドマネージャーがビットコインに肯定的なコメントを出し、インフレ対策として金資産の一部をビットコインに変えたのです。その結果、ビットコインは過去最高値を更新しました。ビットコインはこれまでの投資や投機目的の資産クラスから、インフレヘッジとして選ばれるようになってきたのです。

世界的にインフレは長期化する?

インフレ

パウエル議長がインフレは「予想よりも長引く可能性が高い」と述べたように、2022年半ばまでは高いインフレ率となる可能性がありますインフレが長期化している理由は2つあります。

  • マネーサプライの増加
  • 商品の供給不足(サプライチェーンの混乱)

コロナウイルスの流行で世界中の中央銀行が法定通貨の供給量を増やしました。アメリカでは1975年から2020年3月までに、マネーサプライ(通貨供給量)が約2734億ドルから約4兆ドルに増加しました。その後はコロナ対策で大型景気刺激策が実施され、2020年11月には約6.5兆ドルまで膨れ上がっています。ジョー・バイデン大統領は2022年に1.9兆ドルの新たな景気刺激策を成立させており、マネーサプライは今後も増加していきます。

マネーサプライ(通貨供給量)が増えるということは、お金の価値が下がるということを意味します。お金が大量に出回れば、モノが買いやすくなるため価格が上がりやすくなります。逆にお金が少ない場合はモノが売れにくくなるため、価格が安くなります。歴史的にもマネーサプライを増やした結果、ハイパーインフレになった国(ドイツ、ロシア、ハンガリー、アルゼンチン、ジンバブエ)はたくさんあります

さらに、コロナ禍においてはサプライチェーン(供給網)の混乱が起きました。企業は製品をつくるために新興国などで安くて大量の部品を調達します。しかし、コロナウイルスの流行で新興国の工場は長期間閉鎖されました。その結果、製品が少ししか作れなくなったため、製品価格が高騰したのです。

特に半導体はコロナ禍のリモートワークによるPCやスマホ需要で必要となったにも関わらず工場がストップしているため、深刻な供給不足となりました。追い打ちをかけるようにエネルギー価格の高騰や半導体を輸送する人材の不足によって輸送コストも高まり、多くの分野でインフレが起こりました。

製品価格、エネルギー価格、輸送価格、人材獲得価格(人件費)など幅広い分野の価格が上がることによってインフレは長期的に続くと考えられるようになったのです

インフレから資産を守ることが必要

資産防衛

インフレが長引くと現金の価値が目減りします。たとえば、あなたが現金1,000円を持っていたとします。1本100円だった缶ジュースが1年後に110円となりました。これまで100円で買えていたものが110円になったということは現金の価値が下がったことを意味します。実際に缶ジュースは以前と比べて高くなりましたし、食品の中には値段が変わらなくても量が減っているものも多いですよね( ゚Д゚)。

米ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏はCNBCに取材に対し「現金はゴミであり、資産を現金で持つな」と語っています。インフレ局面では現金の価値は目減りする一方なのです。伝統的なインフレヘッジとしてはこれまで5つの対策がありました。

  1. 不動産
  2. 株式
  3. 外貨
  4. 収入を上げて支出を減らす

金や不動産などの現物資産はインフレと同時に資産価値が高まるため、インフレ対策となります。株式はインフレによって一時的に価格を下げますが、長期的に見ると企業業績の向上に伴って価値が高くなります。

外貨は国単位でインフレが加速しているときには力を発揮します。かつてベネズエラやアルゼンチンがハイパーインフレとなったときは世界の基軸通貨である米ドルが買われました。しかし、世界全体がインフレを起こすような局面では外貨もあまり意味をなさないでしょう。

最後にインフレ対策として有効な手段の一つとして収入を上げたり、支出を減らすなど自分のスキルを高めることで対策する方法もあります。どこでも働いて稼げる力があれば急激なインフレも対応できるのです。

なお、インフレ自体は決して悪いものではありません。経済が発展する国にはインフレが起こることで賃金の上昇や投資の活性化が起こります。そのため、日本やアメリカでも年間インフレ目標を2.0%としています。問題は物価が急激に上昇するようなインフレなのです。インフレ対策について詳しくは以下の記事を参考にどうぞ。

日本の財政破綻に備えるためには?インフレと円安から資産を守る日本の財政破綻についてはもはや杞憂とは言えない状況です。膨れ上がる政府債務は日銀の金融緩和による低金利政策によってなんとか抑え込んでいま...

ビットコインでインフレ対策

インフレヘッジ

そして近年、インフレ対策として有望と考えられているのがビットコインです。ビットコインは2021年に機関投資家の参入によって価格が高騰しました。法定通貨の価値が下がることを恐れた機関投資家がインフレヘッジとしてビットコインを購入したからです。

仮想通貨を投機的な金融商品と見る人もいますが、ギリシャやイタリアの経済危機の際はビットコインが多く買われました。ベネズエラでハイパーインフレが起きた際も通貨ボリバル・フエルテは記録的速度でビットコインに交換されました。

国家が発行する通貨を信頼できなくなった場合、これまでは世界共通の価値である金や米ドルが買われてきました。しかし、金は保管や送金に不便ですし、世界の基軸通貨である米ドルの信頼性も弱くなってきました。米ドルでさえ大量に通貨を発行しているからです。国家の信頼性が落ちた時に、管理する人がいなくて、管理することもできず、発行上限も2100万枚と決まっているビットコインが買われたのですね。

このように仮想通貨は有事の際に買われることから「有事のビットコイン」とも呼ばれています。以前は有事の金が有名だったのですが、資産の分散という意味でもビットコインも少しは買っておこうという人が増えたのです。そして、機関投資家や富裕層の『少し』はビットコイン価格を押し上げるのに十分でした。

特に2021年に入ってからは、ヘッジファンドの帝王レイ・ダリオ氏、著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏、世界3大投資家のジョージ・ソロス氏、ツイッター社のジャック・ドーシーCEO、テスラ社のイーロン・マスクCEO、マイクロストラテジー社のマイケル・セイラーCEOなど著名投資家や起業家がビットコインを保有しました。さらにエルサルバドルではビットコインが国の法定通貨となりました。

著名投資家やテクノロジーに強い起業家は「ハイパーインフレから資産を守るためにはビットコインが有望だ」と語っています。現金として資産を保有して価値が目減りするくらいなら、ビットコインを持つことでインフレ対策を行っているのです。

ハイパーインフレについては以下の記事も参考にどうぞ!

ハイパーインフレの恐怖!日本で起こる可能性と対策近年、ベネズエラやアルゼンチンなどの新興国でハイパーインフレが起きています。日本も戦後にハイパーインフレを経験しました。現在の日本と戦後...

ビットコインはインフレ対策として有望

実は政府にとっては高いインフレとなることで一定のメリットがあります。インフレが起こると物価が上がることで相対的なお金の価値が下がります。つまり、借金をしている人にとっては借金の価値が下がるため、都合が良いのです。

たとえば、1,000万円の借金をしている自動車販売員がいたとします。これまでは自動車を売って年収300万円でしたが、ハイパーインフレとなると自動車の値段も上がりますので、年収が3,000万円になったりします。すると1,000万円の借金は簡単に返すことができます。

つまり、借金の多い政府にとってはある程度のインフレ(良いインフレ)となる方が都合が良い部分もあります。もちろん、インフレで給料が毎年上がる方が経済も活性化しやすいという理由もあります。そのため、政府のインフレ目標は年2%となっていますが、インフレが4%を超える(悪いインフレ)ようなら話は別です。現金で資産を持っていると、毎年4%の資産価値の下落が起こるのですから、インフレ対策が必要になります。

現在、これまで金に投資してきた機関投資家が金資産の一部をビットコインに投資しています。ビットコイン市場は金市場と比べるとまだ13分の1の市場しかありませんので、資金の一部が流れ込むだけでビットコイン価格が高騰している状況です。これは、インフレを恐れた機関投資家や富裕層の資金がビットコインに流れてきていることを意味します。

今後10年の単位で考えた時、資産の一部をビットコインで持つということは長い目で見ると大きなリターンにつながるかもしれませんね!

もちろん、投資は自己責任ですので長期的に保有する気がないならビットコインに投資をすることはやめておいた方が良いですよ!長期投資として保有したい人は以下の記事も参考にされてみてくださいね。

ビットコインのビジョンと安全性、将来性は?インターネットが普及した現在では様々な決済手段があります。クレジットカードや Pay Pal を使ってオンラインショッピングをするのはも...