私はポートフォリオの10~20%ほどを仮想通貨レンディングで運用しています。現在、仮想通貨レンディング業者の中でも大手で安全性が高いと考えられている企業にNexo、BlockFi、Coinloanがあります。私はこの3つ+Yield appに分散してレンディングをしていますが、今回はこれらのレンディング企業を比較していきたいと思います!
仮想通貨レンディング(貸仮想通貨)とは口座に預けている仮想通貨を第三者に貸し出し、利息で利益を得る手法のことです。 レンディングは仮想通貨取引によるリスクを負うことなく、資金を増やしていく事ができます。私は特に仮想通貨の下げ相場でレンディングを行って投資余力を確保しています。
日本の銀行金利が年利0.002%に対し、仮想通貨レンディングはUSDT(テザー)で8%~10.3%と比較になりません。もちろん、仮想通貨レンディングはまだ様々な課題を抱えていますが、現金として保持するくらいなら安全性の高い仮想通貨レンディング企業を探して預ける方が良いでしょう。
追記:BlockFiは2022年2月12日に米SEC(証券取引委員会)より115億円の罰金を科されているため、私は現在レンディングしておりません!
仮想通貨レンディングの安全性は?
仮想通貨レンディング業者の安全性を図るには彼らの儲けがどのように成り立つかを考えることが大切です。彼らの儲けの源泉は3つあります。
- 貸し付けによる収益
- 仮想通貨売買手数料
- その他の収益
貸し付けによる収益
レンディング業者は個人や企業に仮想通貨を貸付てその金利収入を得ています。仮想通貨レンディングプラットフォームでは借り手に「過剰担保」が必要になります。レンディング業者で資金を借りようと思った場合、資金の2倍以上の担保をアカウント内にロックしないと借りる事ができないのです。
たとえば、1,000ドルを借りようと思ったら、2,000ドル分の仮想通貨をレンディング業者に預ける必要があります。もし、仮想通貨の返却ができなくても2倍の担保があるため一定の安全性が保たれます。
ではなぜわざわざ2,000ドル分の仮想通貨を預けて1,000ドルを借りる人がいるのでしょうか?これは様々な理由がありますが、一つは税金対策です。2,000ドル分の仮想通貨をドルに換えると利益確定となって税金が発生します。しかし、仮想通貨を担保にお金を借りると税金が発生しません。
また、レンディング業者間でも金利は異なるので、低い金利で借りて高い金利を出すところに預けることでその利ザヤを受け取ることも可能です。たとえば、1,000ドルを年利5%で借りて、年利8%で貸し出すとその差額の3%の利回りを受け取ることができます。
仮想通貨売買手数料
ほとんどの仮想通貨レンディング業者では仮想通貨の交換(Exchange)も行っています。その際の手数料で収入を得ているのです。仮想通貨レンディング業者の交換手数料は取引所と比べると恐ろしいほど高いのですが、仮想通貨暴落時には送金時間を待つよりは売りさばきたい人もいます。
そのような需要を考えると預かり資産が大きくなるほど、売買手数料収入も大きくなっていきます。
その他の収益
仮想通貨レンディング業者の最もブラックボックス的な部分がその他の収益です。レンディング業者はお金を貸し出したり、売買手数料をもらうだけでなく、その他さまざまな方法で利益を出しています。
たとえば、預かった資金でトレードをしたりとリスクを取った資産運用で利益を出していることもあります。他にもレンディング業者独自の仮想通貨を発行(NexoやCLT)してその販売益を得ている場合もあります。最近ではDefiで運用することで安定した収益を上げることもできます。
その他収益は、レンディング業者にとって利益の源泉ですので一般的には公開しません。ここがブラックボックスであり、仮想通貨レンディング業者に資産を預けるリスクでもあります。
私の場合、このブラックボックスへの対処法として、必ず4半期決算やレポートを確認しています。Nexo、BlockFi、Coinloan、Yield appはブログで収益や経営状態を定期的に発信しています。それを確認することでレンディング企業の破綻の兆候を察知することができます。
仮想通貨レンディングの利回り比較
レンディング企業 | Nexo | BlockFi | Coinloan | Yield app |
仮想通貨年利 | 4~8% | 4.5% | 5.2~7.2% | 6~12% |
ステーブルコイン年利 | 8~12% | 9.25 | 10.3~12.3% | 10~18% |
仮想通貨銘柄数 | 31 | 15 | 25 | 6 |
日本語表記の有無 | 〇 | × | × | × |
本社 | イギリス | アメリカ | エストニア | アメリカ |
Nexo、Coinloan、Yield appでは利回りに変動があります。これはそれぞれのレンディング企業が発行している仮想通貨(NEXO、CLT、YLD)の保有量によって利回りが変動するからです。さらに保有期間を1か月間、1年間とロックすることで利回りを高めることもできます。
私の場合は2022年2月時点でNexoに52,000USDC+0.5BTC、Coinloanに65,000USDT、Yieldappに85,000USDCと分散してレンディングしています。日本円だと合計25,500,000円ほど運用していますが、1日で約58ドル(6,600円)の収入となっていますので現金として保有するくらいなら預けておいて損はないです。
ただし、レンディングは仮想通貨相場が下落局面でのみ使用していますので、どこかのタイミングでBTCやETHに変えていくと思います。
仮想通貨レンディングのメリット・デメリット
レンディングは特に下落局面で投資機会を見極めながら資産を温存することができます。仮想通貨はボラティリティーが激しいため、ステーブルコインとしてレンディングで増やしていくことができるのは大きなメリットです。もちろん、銀行貯金とは比べ物にならない利回りを得ることもできます。
一方で、リスクもあります。レンディング企業の破産やハッキングによる被害、ステーブルコインが規制されて暴落するリスクもあります。ですから、レンディング企業の分散やレンディングだけに資産の大半を入れることはお勧めしません。
レンディングはあくまでも当分動かさない現金資産を預けるだけにとどめ、資産の全てをつぎ込むようなことは辞めた方が良いです。私もコアの投資は全米株式インデックス(VTI)です。サテライトで仮想通貨の市場が停滞、または下落局面でレンディングを使用しているだけです。
レンディングのメリットをデメリットを理解して上手く使われてくださいね!